showmoreの井上惇志さんのアーティストトークセッションムービーの中で、井上さんがお気に入りといっていた「シームレス・トランジション」とはどんな機能なのでしょうか。
私のイメージを言葉にすると、
『音色を「ポチッ」と切り替えるときに、鳴っている音が「ブツッ」とならないようにする機能』なのです。
もう少し詳しく説明すると、
Aメロは「ピアノ」を弾いていて、Bメロで「エレピ」で弾く場面を考えます。
この場合、Aメロ中はピアノを存分に演奏して、Bメロに入る直前でプログラムボタンを押し、音色をエレピに切り替えます。
この時、Aメロの最後の最後までピアノの音を長く鳴らしておきたく、プログラムボタンを押すタイミングを最大限にBメロに入る直前に、と
プログラムボタンを押すタイミングを見計らいます。
ここで、キーボーディストの頭の中では、
・Bメロの頭からエレピをしっかり弾くには、できれば早くプログラムボタンで音色を切り替えて備えたいけど、それではAメロの最後でピアノが抜けて良くない
・Bメロの頭ギリギリ過ぎると、ボタン押して音色切り替わるタイミングと、Bメロの頭の押鍵が近ずぎて、Bメロの頭が欠けちゃうかもしれない
という葛藤が起こります。
こういう葛藤を解決するのが、シームレストランジションなのです。
図解してみました。
シームレストランジションがない場合、音色を切り替える時に音が途切れてしまうので、Aメロ最後の音をどこで切るか、の決断をしなければならないのです。
一方、Nord Electro 6 を始めとするシームレストランジション機能があるキーボードでは、
音色を切り替えても音が途切れないので、ピアノの音はペダルを踏んで伸ばしっぱなしにしたまま、ポチッとプログラムボタンで音色を切り替えてBメロのエレピを用意できるのです。
これが井上さんがムービー内で言っている「この機能があると、キーボーディストが余裕を持って演奏できる」ということなのです。
【シームレストランジション搭載機種】
・Nord Stage 3
・Nord Electro 6
・Nord Grand
・Nord Piano 4
井上惇志 plays the Nord Electro 6D 61